5月のさわやかな午後の「月瀬ホール」、グロトリアンのピアノの音とバルトークのプログラムに惹かれ、久しぶりにコンサートへ足を運びました。
ピアニスト松本望さんから紹介されたのは、この春、芸大大学院を卒業したばかりの室内楽団《カルテット風雅》。
大阪国際室内楽コンクールを目前に控え、武者震いする若いカルテットでした。もちろん若さだけではありません。技量にも確かな裏付けがあり、松本先生のお墨付きのカルテットです。
弦楽器の演奏を目と鼻の先で味わえるのが、月瀬ホールの魅力です。
演奏が始まるとグランドピアノを囲むリヴィングルームの空気が、弦の響きで満たされてゆきます。第一ヴァイオリンの高音はひときわ美しく、第二ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロも、それぞれ異なる個性を響かせます。
バルトーク「弦楽四重奏曲第5番 Sz.102」の第1章から第5章まで、それぞれの曲想を私の言葉に置き換えることはできません。しかし、音が絡み合い、形をつくってゆくような造形的なコンビネーションが感じられました。
四人のアイコンタクト。座ったままでは収まりきらないような身体の動き。ときに優しく、ときに厳しい表情。演奏家たちの息づかいに気づくころには、私自身も自然に呼吸を合わせていました。
フランク「ピアノ5重奏曲 ヘ短調」では、カルテットの演奏にピアノの響きが重なり、さらに豊かな世界が広がり大いに楽しめました。松本先生とカルテットの確かな信頼関係と若い力のハーモニーがバルトークとフランクを身近に感じさせてくれました。
近頃、不協和音ばかりが耳に入り、それに慣れてしまっている自分がいます。しかし、バルトークにかかると、不協和音さえ美しい。万雷の拍手。若い演奏家たちは、そのことを確かに伝えてくれたのではないでしょうか。
月瀬ホール
【月瀬ホール「松本 望と若き仲間たち」 シリーズ】
松本望さん肝いりの若き音楽家の方々と室内楽を楽しむ企画
●松本望さん
美しい容姿から想像できない力強いピアノの音でした。演奏だけでなく統率力がすごい。パンフレットのプロフィールには、作曲専攻され作曲と演奏でご活躍とのこと 2022年には、NHK全国学校(合唱)作曲コンクール課題曲の作曲者、国内外のアーティストとのアンサンブル共演を重ねていらっしゃいます。 次回の企画が楽しみです。
●カルテット風雅
5月6日の月瀬ホールでの演奏は、まさに「前哨戦」でしたね。その後 5月23日の「第12回大阪国際室内楽コンクール」で見事第2位、さらにボルドー弦楽四重奏フェスティバル賞を受賞されました。おめでとうございます!
第1ヴァイオリン 落合真子さん
「リトル・マーメイド」のアリエルのようなお嬢さんの高音が素敵でした。
第2ヴァイオリン 小西健太郎さん
ヴィオラ 川邉宗一郎さん
チェロの松谷壮一郎さん
みんな スマート・ガイ!!!
クラッシックは、たしなみ程度の私ですが、かれらの演奏では、「だれが・何を・どういう気持ち」で楽器に向かっているかがよくわかり楽しませてもらいました。
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