2026-07-25

映画「マイケル」ー 家族・夢そしてファンタジー


映画{マイケル」 原題 Michael

2026年 アメリカ(128分 )  配給 キノフィルムズ

監督:アントワーン・フークア 脚本:ジョン・ローガン

制作:グレアム・キング、ジョン・ブランカ、ジョン・マクレイン

私とマイケル

 映画「マイケル」を観ました。「マイケル」は、70年代後半から90年代を駆け抜けたエンタテナー「マイケル・ジャクソン」のことです。 私は、この映画のなかでマイケル・ジャクソンの再来では?と思わず眼がしらが熱くなるシーンをいくつもみることができました。この映画は、単なる伝記映画でなく、「マイケル・ジャクソンからのメッセージの代読」と思えてしまいました。
 私は、マイケル・ジャクソンの熱烈なファンではありません。しかし、気づけばマイケル・ジャクソンは私の人生の節目節目にいました。映画ベンのテーマの歌声、ジャクソン5兄弟の大人子供のようなリードボーカル。あの子が彼?と驚いたMTVのビリージーン。
 自分が同時代を生きてきたことが、映画を見て思い出されました。マイケル・ジャクソン生きていれば67歳. 彼は、スキャンダル渦中の50歳で早すぎる死を迎えることになりました。アフリカンアメリカンの美しい、生命力を感じさせる肌色が、報道によれば全身性エリテマトーデス、尋常性白斑で肌の色素が抜けてゆく姿に世界的成功と引換えの痛みと苦しみを私は感じずにいられませんでした。
 I'LL BE THERE,BEN, BEAT IT, THRILLER, WE ARE THE WORLD,BAD ・・・・・の数々の楽曲は、共働きのいそがしい生活の中で、私に気分転換の時間を提供してくれていたのは間違いありません。当時10代の娘は、MTVを観て育ち、マイケル・ジャクソン、ダイアナ・ロスのオズの魔法使いを見、学芸会でドロシーを演じていました。
 そういう個人的なマイケルとの関係とは別に・・

家族の物語「マイケル」


 映画は、家族の成功だけを願う父親と溢れる才能の表現を爆発させたいマイケルの葛藤を軸に展開します。マイケルが自分を子供たちの味方、大人になれないピーター・パン、父親のような海賊船長を退治するピーター・パンになぞらえてゆく物語も俳優たちの並々ならぬ演技で伝わるが物がありました。父親との決別の意思表示をするライブシーンの臨場感に思わず息をのみました。
 マイケル・ジャクソンの音楽室を模した部屋での撮影、 ぬいぐるみとおもちゃでいっぱいの本人のベッドルーム、彼の友人チンパンジーのバブルスを抱いたり、子供や病児たちと交流する優しい姿は、さもありなんと思わせました。また伝説的な舞台、衣装もすべて再現され、撮影・技術クルーの意気込みが感じられました。主役のジェファー・ジャクソンは、マイケル・ジャクソンの甥です。自分のオジサンを隣に感じながら育ったにもかかわらず役作りに2年以上かけたジェファー。
 映画のラスト、大観衆にジャクソン5からの独立を宣言をし、父親の驚きの顔を背に「ヴィクトリー・ツアー」最後の舞台に向かうマイケル役のジェファー。振り向いた横顔にあのマイケル・ジャクソンをダブらせた人は、私だけではなかったと思います。

 

エンドロールのあとに・・・・


「マイケルの物語は続く」
エンドロールに書かれた文字に「そうだ!私の物語もこれからだ!」と思ってしまいました。
 没後17年 このような姿で再会するとは思いもかけませんでした。この映画は、アフリカンアメリカンのアントワーン・フークワ監督、マイケルの家族、子供が総出で協力しています。(ジャネットジャクソンの名はありませんでしたが)
 人種を超え、音楽で世界をつなごう。というメッセージは、スキャンダルや、サクセスストーリーとしてのマイケルジャクソンの印象の強い人にも伝わるのではないでしょうか。


生きるための想像力★ファンタジー


 マイケルが舞台の上で見せ続けた「夢を見る力」は、単なる娯楽ではなく、人が生きるための想像力そのものだったと私は思います。戦争、格差、分断、生活苦に疲弊している今の世界に忘れられているもの「夢見る力=ファンタジー」を考えるキッカケをこの映画は、提供していると思いました。彼は、晩年スキャンダル、薬物でダークヒーローになってしまいますが、舞台の上ではエンターテナーとして彼のファンタジーを表現し続けました。
 映画マイケルの観客動員数は、インターネットの検索によると公開41日目の時点で417万人です。懐かしさだけでは、でない数字です。
 力強く前に進むマイケルの姿を映すこの映画は、マイケルジャクソンを映像でしか知らない若い世代にも刺さっているのではないかと思いました。



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